「子育てと相撲部屋おかみの日常」
杉野森絵莉(高54回) 安治川部屋女将
ごきげんよう。
私は白百合学園に小学2年生から編入学をし、高校3年生まで学びました。11年間に一番に学んだことは「継続的な努力」と「奉仕の精神」そして「さりげない思いやり」です。
編入学のテストは難しく、一生懸命準備勉強をしたことを覚えています。晴れて白百合生の一員になれたことに喜びもつかの間、同級生はもっと一生懸命に努力をする方ばかりで大変驚きました。
小学1年生は兵庫県の公立小学校に通っていました。六甲の山々を見上げる場所で、男の子も女の子もおおらかな環境でした。靖国神社の隣である都心の一等地まで電車通学で、きちんと三つ編みをして、素敵な刺繍入りのお弁当鞄を身に纏ったお嬢さんたちのひたむきな姿勢に、8歳の私の心は大いに動かされました。
現在、安治川部屋には9名の力士が所属しており、平均年齢21.2歳の若い力士達と、夫である安治川親方(元関脇・安美錦)と実子3人を含めて一つ屋根の下で暮らしています。
部屋頭の大関 安青錦はウクライナ出身の22歳。双葉山と並び、新関脇 新大関で連続優勝し、3月の大阪場所では「綱取り」に挑みます。
安青錦と私は、マスコミ対応の調整やスケジュール管理、後援会に関することやちょっとしたことの相談相手まで、日々、自分の子供と同じように多くの事柄に関わっています。
来日して4年足らずで上達した日本語は、漢字やことわざ等、また風習を教えることも折に触れてさりげなく伝えられるように心がけています。そういえば、8歳だった私も日々の継続的な努力によって地道に白百合になじみ、小学校6年生の運動会では優勝旗の騎手を務めたことを思い出します。
小学校時代
安治川部屋3周年
安青錦初優勝祝賀記念パーティー
今や安青錦が既に2度、幕内最高優勝旗を掲げて千穐楽に安治川部屋に帰って来てくれました。ストイックで真摯な彼の姿を間近で支えていて、「継続的な努力の素晴らしさ」を再確認させていただき、心から感謝しています。
安青錦の精神の成熟は、ロシアがウクライナ侵攻したことと切り離せないと感じます。異国の地で、「自分の選んだ道で成功するのだ」という強い信念を感じます。私の大叔父は、第二次世界大戦に於いて早稲田大学在学中に硫黄島で玉砕し、現在も靖国神社に眠っています。戦争とは多くの若者の希望・信念そして人生を奪うものです。
私たちは今ここに生かされていることに感謝し、力士1人1人の夢をかなえる相撲部屋の努めを果たしてまいります。
<Q&Aコーナー>
Q1.校舎や通学路で思い出の場所はありますか?
靖国神社の銀杏
Q2.今も残している白百合時代の思い出の品などはありますか?
おいたちの記
Q3. 今後のライフプランについてお聞かせ下さい。後輩へのアドバイスもお願いします。
強いだけでなく、人として優れた力士の育成に励む親方のサポート
「大丈夫、今の努力が実を結びます。」