「見えなくても 趣味があれば そこそこ楽しく生活できます」
杢代絵三子(高35回)(ペンネーム かわい いねこ)
トークパフォーマンスグループ こうばこの会
昨年出版したKindle本『見えなくても愛:残念な盲人の心温まらない日常』を学園祭で紹介していただいたご縁で同窓会につながりました。
在学中、大先輩の福沢美和さん(福沢諭吉氏のお孫様で中途失明となった)の講演で、誘導する人は白杖を掴んではいけないと仰っていました。今まさに実感しています。
当時はまさか自分が視覚障害者になるとは思ってもみませんでした。
白杖は全盲の人だけでなく、眼鏡で視力矯正しきれない弱視や視野狭窄の人も持っています。
白杖に気づいてもらえれば避けてもらえるし、誰かとぶつかっても白杖を持っていれば相手の過失になります。視覚のハンデがある者にとって白杖は大切なものなのです。
見えない私でも晴眼者と同じにできること、それは表現すること。
今から30年以上前、視覚障害の友人たちとトークパフォーマンスグループ「こうばこの会」を作りました。
芝居は厳しそうだけど朗読ならできるかもという思いで、今も定期公演や図書館での朗読会を開いています。ただ、視覚障害のハンデは準備期間をとても長く必要とします。作品を探すにも、図書館で片端から本をパラパラと斜め読みすることはできません。
最近では視覚障害者用オンライン図書館から点字や音訳の本をダウンロードできますが、時間はかかります。中途失明の私は点字を読めないので、カセットに自分で録音した音声台本を聞きながら朗読をします。
デジタル機器はスタートボタンを押して音声が出てくるまでにタイムラグがあり、自分の間を作るのが難しいのでカセットを使っています。
点字が読めたとしても点字は指でなぞるので先読みはできません。
拡大文字を使っている人は、iPadなどで文字を大きくして読んでいたりもします。だから見える人以上に練習や準備が必要になります。時間はかかるけれど、こうして社会と繋がっています。視覚障害者の仲間で作った こうばこの会ホームページも覗いてみてください。
【こうばこの会ホームページ】
<Q&Aコーナー>
Q1.校舎や通学路で思い出の場所はありますか?
サンドイッチを売っていたクローバー、今もあるのでしょうか。
皆があまり買いに行くので、ある日校内でも売るようになりました。
卵サンド、いまはもうアレルギーで食べられません。(涙)
高校時代
Q2.今も残している白百合時代の思い出の品などはありますか?
見えなくなったり引っ越したりで、高校時代のものはもう何もないと思っていたら、
卒業の時に友達に書いてもらったサイン帳が見つかりました。
もう読めないけれど、大切な思い出です。
Q3. 今後のライフプランについてお聞かせ下さい。後輩へのアドバイスもお願いします。
今後の予定としては来年お芝居に出させてもらうことになりました。
後輩へのメッセージとしては年齢を重ねると自分にも周りにも故障が出てきます。障
害者になったりもします。
そうなったらもう仕方ないので、できるだけ楽しめることを探してください。