大木 梨恵(旧姓:前田)(高52回)
九段下駅から目白通りを飯田橋方面へ、旧ホテルグランドパレスを過ぎて少し先を右折したところに、2023年春、日本の伝統芸能に特化した小規模なホールを開設いたしました。
幼少期より歌舞伎や古典邦楽を愛する家庭に育ち、小鼓の稽古を始めたことで邦楽の世界に慣れ親しんでまいりました。その過程で、歌舞伎や邦楽から遠ざかる現状、またその存在さえ知らない方々が多くいらっしゃることを痛感いたしました。一方で、お稽古を通じて古来の日本人の精神に触れ、伝統芸能の世界には今なお、義理人情に厚い心を持った方々が脈々と生きていることを実感しております。
日本人が古くから大切にしてきた花鳥風月への愛、命の尊重、他者を思いやる心は多くの芸術・芸能を生み出し、各時代の人々に深く愛されてまいりました。現代では特に趣味娯楽が多様化し、伝統芸能への関心が薄れていくのもやむを得ない面があるかもしれません。
しかしながら、「温故知新」という言葉が示す通り、古い時代の価値観を学ぶことで、現代に活かせる教訓を見出し、新たな創造へとつなげることができます。
能楽や歌舞伎、それに関連する伝統邦楽・落語・日本舞踊等々の普及・発展・存続に微力ながら貢献したいとの思いから、伝統の継承と革命の双方を目指し「鶴めい(かくめい)ホール」と命名いたしました。
39 席という小規模なホールではございますが、「和」の趣きある舞台と生音による優れた音響を特徴とするレンタルホールとして、また年に数回、伝統芸能の自主公演を企画・運営しております。
詳細につきましてはホームページをご覧いただき、内覧のご予約は随時承っております。

