「白百合から宝塚へ」
中谷知子(高10回)
フランスで育ち、帰国後白百合で学んだ母(高女23回・鈴木久子)のもと、一つ上の姉(高9回・櫻井幸子)と共に白百合学園に入学したのはごく自然なことでした。規律正しい白百合の生活の中、安心してのびのびと過ごした少女時代でした。
幼いころから歌うことが大好きでした。
小学校5年生からNHKラジオ番組「うたのおばさん」の安西愛子先生の杉の子合唱団に所属し、童謡が流行った時代で、ラジオ放送に出て歌っておりました。人前で歌うことが何よりの喜びでした。
その後高校卒業まで、姉と共に、安西先生から声楽を学びました。姉の勧めで、初めて観劇した宝塚歌劇の舞台に衝撃を受けました。自分が進むべきはこの道だ、この舞台に立ちたい、と強く思うようになり、宝塚音楽学校受験を決意しました。
娘役として雪組と星組に約10年在団しました
白百合で自然と培ってきましたことは、真面目にコツコツと努力することでした。親元を離れ、一人で東京から宝塚音楽学校に入学したことは、人生初の大冒険でした。緊張と挑戦の連続の日々でしたが、寂しさや辛さよりも、好きなことに打ち込める喜びが大きかったことを覚えています。
宝塚歌劇団入団の際、芸名は宝塚ファンである姉の親友、白百合女子大学日本文学科卒の野田園子様が万葉集より玉梓という枕詞を選んでくださり、玉梓瑠美と名付けました。舞台人としての生活は、日々予期もせぬことの連続でしたが、私の人生において、何より素晴らしい経験となりました。大切な友人たちとの出会いも宝物であります。
中谷知子(高10回)
芸名 玉梓瑠美 宝塚46期
鈴木由美子(高20回)
芸名 玉梓真紀 宝塚54期
その後、同じく白百合で学び育った10歳下の妹(高20回・鈴木由美子/2021年永眠)も、宝塚歌劇団に入団しました。同じ玉梓をいただき、芸名・玉梓真紀として、宝塚の舞台で歌の名手として活躍いたしました。
宝塚への道を勧めてくれた姉は、勉学の道に進み、単身フランスへ留学。現在もフランス語教師として広く活躍しております。
私たち姉妹が、自分たちの進みたい道を見つけ、それぞれの進路に邁進できましたのは、母校白百合で自立すること、たゆまなく努力することを学んだおかげであると、感謝しております。
娘 中谷有里(高45回)代筆
玉梓真紀
在団時は鳳蘭さんの相手役として「風と共に去りぬ」
スカーレット・オハラ役を演じました
宝塚時代にレコードをリリース